NYタイムズ、起死回生の武器はメルマガ? 転載ではなく独自コンテンツを拡充

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ニューヨク・タイムズ本社(写真:ロイター/アフロ)
この記事はデジタルマーケティング戦略に特化したメディア「DIGIDAY[日本版]」(運営:インフォバーン)の提供記事です

プリント版の慢性的な購読者減に苦しむニューヨーク・タイムズ。起死回生の一手としてメールマガジンを選択した。しかも、そのメルマガでは、本紙の記事転載という効率性を捨て、専門の編集者を用意したり、専属の有名コラムニストを起用したりと、独自コンテンツの拡充に努めている。

記事単体で評価され、SNS内で消費されていくフィードのニュースに比べて、雑誌的な手法で丹念に製作される、ニューヨーク・タイムズのメルマガ。今や開封率が70%を上回るものもあり、ロイヤリティの高い新規購読者の獲得源と期待されている。

ジャンルを細かく分け、一つひとつを深掘り

2014年に開始されたときは、わずか数えるほどしかなかった、同メルマガの購読可能なジャンル数。現在では、33ジャンルまで増え、重要な戦略の場となった。特に心がけているのは、受信箱で注意を払ってもらえる存在になることだという。そのために、コンテンツのクオリティが鍵になるのだ。

これまでは、新聞の延長線上にある存在と言えた、同社のメールマガジン。このほど開始したトレンド情報「ブーミング」、ライフスタイル情報「NYTリビング」、ヘルスケア情報「ウェル」では、さらに幅広いテーマを対象にしている。たとえば、「ウェル」に掲載された「蚊避けアームバンド」に関するテクノロジー記事は、それを象徴する記事の1本と言えるだろう。

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