暴力団排除条例--企業はどう暴力団と対峙すべきか

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1月19日朝。福岡県警は、福岡県中間市で建設会社社長が拳銃で撃たれ重傷を負った事件で、指定暴力団「工藤会」本部を殺人未遂容疑で家宅捜索した。捜索先は本部事務所に加え、県内の関係先十数カ所に上る。九州、中でも福岡県は、暴力団抗争や暴力団と市民の争いが、全国一激しい場所。一般人が襲撃されても、実行犯がほとんど捕まっていないほどで、首都圏などとは体感治安がまったく違うのだ。

福岡県の場合は極端な事例だろう。だが暴排条例の施行で、暴力団と企業が対峙する場面は、実際の取引などで、これからますます増えてくると思われる。

「暴力団員と携帯電話を契約するのは、条例で禁止される助長取引に当たるのか」--。暴排条例で明確に規定されていない業種について、各社は解釈に戸惑っているようだ。

そもそも団体である暴力団と、個人としての暴力団員では、条例での扱いが全然異なる。都条例では、企業が暴力団(暴力団員)と関わった場合、企業が行為を自主申告すれば罰則を受けないなど、条例自体、都道府県で細かな差がある。

オフィスで、店で、街頭で。企業は暴排条例に、どう向き合えばいいか。反社会的勢力(反社)の見分け方から、業種別の対処法、さらに条例が持つ危険性まで。

『週刊東洋経済』1月28日号(1月23日発売)では「暴力団対策と企業」を特集。暴対法で指定された22の指定暴力団について、暴力団名や所在地、勢力範囲、構成員数などの詳細を、経済誌では初めて掲載した。ぜひご覧いただきたい。

(撮影:今井康一 =東洋経済オンライン)

大野 和幸 東洋経済 記者

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おおの かずゆき / Kazuyuki Ohno

ITや金融、自動車、エネルギーなどの業界を担当し、関連記事を執筆。相続や年金、介護など高齢化社会に関するテーマでも、広く編集を手掛ける。

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