安保法案の総括質疑、17日未明も行われず 民主党など主要野党が抵抗

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集団的自衛権の行使を可能にする安全保障の関連法案をめぐっては、日本を取り巻く環境が激変しているとして、整備の必要性を訴える政府・与党と、自衛隊の海外派兵につながり憲法に違反するなどと主張する主要野党との論戦が、最終局面を迎えてもなお平行線をたどっている。

国会周辺で連日繰り広げられている抗議デモには、16日夕方も大勢の人が集まった。小雨が降る中、「戦争法案反対」、「9条壊すな」などのプラカードを掲げ、法案そのものや安倍政権の政治手法を批判した。

16日は特別委員会に先立ち、神奈川県で地方公聴会が開かれた。与党推薦の自衛隊の伊藤俊幸・元海将は、「わが国を守ってくれているにもかかわらず、他国軍隊にふりかかる火の粉を払ってあげることもできなかった」と述べ、法案の早期成立を訴えた。

野党推薦の専修大学の広渡清吾教授は、「安保法案は、憲法の平和主義を変えようとする、重大な内容を含むもので、国民の反対と不安をしっかり認識し法案の違憲性を判断して廃案にしてもらいたい」と反対意見を表明した。

公聴会の会場周辺では、法案に反対する抗議デモが繰り広げられた。

 

(久保信博※)

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