【産業天気図・ホテル/旅行】06年度は景気反映し堅調。ただ「ホテル07年問題」が控える

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ホテル・旅行業界の今06年度下期は景気の底堅さを反映して「晴れ」が続きそう。ただ来07年度はホテルは『07年問題』が本格化。景気も一服感が出るとの見方があり、やや軟調な展開が予想される。
 旅行最大手のJTB<非上場>は積極的なM&Aやネットへの取り組みを軸に構造改革を進め、06年9月中間期は売上高こそ前年同期比0.2%増にとどまるが、経常利益は42.8%増と堅調。通期でも順調に推移しそうだ。また海外旅行回復の波に乗るのがエイチ・アイ・エス<9603.東証>。一方でライバルの阪急交通社<非上場>は06年4~9月取扱高が前年同期比5%減と苦戦。国内、海外旅行とも専門性やネット対応の巧拙で、寡占化と選別が進みそうだ。来07年は業界3位の日本旅行が上場を検討しており、2位の近畿日本ツーリスト<9726.東証>との競争が注目される。 
 ホテル業界は、帝国ホテル<9708.東証>が好調を持続。特に本館の婚礼は07年3月期、1200件を超える過去最高水準。椿山荘、フォーシーズンズ椿山荘東京を保有・運営する藤田観光<9722.東証>も回復基調が続きそう。全体的に婚礼・宴会の需要が堅調で業績を下支えする。ただ07年は3月にザ・リッツ・カールトン東京、9月にザ・ペニンシュラ東京が開業。東京の老舗VS香港老舗となる帝国ホテル対ペニンシュラ、またヒルズ需要をめぐって六本木の国際的高級ホテルチェーン対決となるハイアット対リッツ・カールトンのほか、05年開業したコンラッド東京やマンダリン・オリエンタル東京も軌道に乗り、競争激化が予想される。
【山谷明良記者】


(株)東洋経済新報社 会社四季報速報プラス編集部

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