豪新首相にターンブル氏就任、経済再生へ取り組み表明 経済再生を約束、週内に内閣改造へ

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[キャンベラ/シドニー 15日 ロイター] - 豪与党・自由党の党首選でアボット首相を破り、党首に選出されたターンブル前通信相が15日、就任宣誓式に臨み、新首相に就任。政権安定と国内経済の再生に取り組む方針を表明した。首相交代はここ2年で4回目。

実業家から政治家に転身したターンブル首相は2009年の党首選でアボット氏に敗れたが、常に人気は高かった。ただ、地球温暖化や同性婚、オーストラリアの共和国化などをめぐる進歩的な思想が党内の保守派の反感を買っていた。

新首相は今週中に新政権の顔ぶれを発表するとみられている。ホッキー財務相は退任し、モリソン社会サービス担当相が新たに財務相に就任する見通し。500億豪ドル(357億米ドル)規模の次期潜水艦調達を担当していたアンドリュース国防相も交代するとみられる。

アボット氏は15日、首相として行った最後の演説で、政権移行をできる限り円滑に進めると約束する一方、「首相の頻繁な交代は我が国にとって良いことにはなり得ない」とも述べた。

多くの政治アナリストは、ターンブル氏の首相就任が政権安定につながると見ている。約1年後に控える総選挙で、同氏は野党・労働党にとってアボット氏よりも手ごわい相手になる可能性があるためだ。

シドニー大学で政治学を教えるピーター・チェン上級講師は「野党党首にとって、ターンブル氏ははるかに大きな脅威だ。状況が大きく変化しない限り、ターンブル政権は2期目まで続くだろう」と述べた。

新政権には、自由党副党首に選出されたビショップ外相の続投で外交の継続が見込めるという利点もある。

豪商工会議所のカーネル代表は、より協調的な政府を目指すターンブル首相の方針を歓迎するとともに、生産性と競争力の向上に向けた改革を実行するよう首相に求めた。

*内容を追加しました。

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