コンプライアンスの視点からメンタルヘルスを考えよう--ソフィアカウンセリング・清水智子代表に聞く

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育ってきた環境によって身につけてきた生き癖とも言いましょうか、そうした生きるうえでの姿勢・スタンスを人間として無理のないニュートラルなところに戻します。

--どう生きるか、生き残るのか、要するにそうしたテーマでカウンセリングするわけですね。

はい。認知療法というのが盛んに行われるようになりましたが、物事を自分にとって、どう認知するかということを見て行きます。そこに極端な偏りがあったり歪みがあれば、物事を正しく認知しにくい。それによって本来、引き受けなくても良いことを背負いすぎたりして、極端なマイナス志向や破壊的傾向に陥ってしまいます。それをほどよいところに認知を持って行くことによって、自らを許せるようになったり、適応的な考え方に沿った行動が可能になって、自分らしくどう生きるかの取捨選択を行うことができるようになります。

最終的に企業は守ってはくれませんので、自らを守り、適応させて行ける柔軟な認知を得て、自分らしく生き抜けるようになるということを身につけるわけです。

また、他人からどう見られているか、過剰に気にする人も多いです。上司が残業で残っているから帰れないではなく、やるべきことが済み自分の仕事が終わっていれば「今日は帰ります」と言えばいいわけで、何が必要で何が必要でないのかの選択ができるようにすることが重要です。生き方を変えることがメンタルの不調からの回復につながります。

安全配慮義務を怠るとコンプライアンス違反を問われる

--メンタルな病で最近の傾向では何かありますか?

この5年ぐらいでトレンドとして起きているのが「新型うつ」の問題です。これまでは真面目で自己犠牲的な中高年の方がメンタル不調になっていたのが一般の事例でしたが、「新型うつ」は20歳代の若い人が中心です。

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