コンプライアンスの視点からメンタルヘルスを考えよう--ソフィアカウンセリング・清水智子代表に聞く

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コンプライアンスの視点からメンタルヘルスを考えよう--ソフィアカウンセリング・清水智子代表に聞く

うつ病など社員のメンタルな病の増加に企業社会は深い衝撃を受けている。企業社会はこの問題にどう向き合っていくべきか。株式会社ソフィアカウンセリング(名古屋市中区)の臨床心理士・清水智子氏に聞いた。

--このところの名古屋経済、あるいは景気の状況ですが、メンタルな病との関連でどのような環境ですか?

 リーマン・ショックに続いて、東日本大震災、欧州ソブリン危機、そしてタイの洪水と続き、愛知県は自動車関連企業が多いことからも地域経済が揺さぶられているように思われます。自動車関連産業では、タイの生産が止まったことで、国内で対応可能であった部品工場では“国内でつくれ”ということで、土日返上で残業が急激に増加するという現象が出ていた企業もありました。

一方、大震災の混乱からは早期に部品のサプライチェーンが立ち直りを見せていたところでしたが、タイのからの部品が止まったことで生産停止状態となった企業が大半でした。その後、段階的にタイの復旧が始まってからは一気に生産が増え、そこへ新製品も加わって、このところの増産は急激な様相を見せています。リーマン・ショック後、昼勤のみで夜勤を停止していた工場でも交代勤務を再開し始めるなど、対応を迫られ、それなりの混乱もあるようです。

こうした状況のなかで揺さぶられ続けたとりわけ自動車関連企業においては、メンタルな病との関連でいうと、あまりよい状態にあるとは言えません。

--カウンセリングの現場から見ると、企業内でメンタルな病の発生は増加しているというのが実感でしょうか?

これまでお話しました状況下で追い詰められ感があるのか、やはりメンタルな病になる社員が増えているように思います。一般社員はもちろんのこと、たとえば人事総務担当者や現場の管理職などもメンタル不調となるような事例も見られるようになっています。

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