三越と松屋、銀座店改装に見る「紳士服の今」 日本一の商業地で百貨店が出した答え

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三越銀座店でオーダースーツを手掛ける「GINZAドレスアップ・サロン」

販売員の接客方法も見直す。コンセプトは「なりたいスタイルを引き出して、一緒にスタイルを作り上げる」。ある程度トレンドを理解しているが、自分がどうしたいのか、自分にはどのようなスタイルが似合うのかわからない客のために、販売員が相談に乗る。

そのためには、さまざまな商品を比較検討できることが重要であり、売り場はオープンな方がいい。今回の改装と接客方法の見直しはセットになっている。

30代男性の取り込みを目指す

銀座でしのぎを削る三越と松屋が、共通して新たに取り込みを期待しているのが30代の若い男性だ。以前は40代後半からがメインの客層だったが、近年は豊洲など近隣の湾岸エリアで高級タワーマンションが続々と建設され、そこに若いファミリー層が入居。銀座近郊を生活圏としている、若い男性が店を訪れる姿が多く見掛けられるという。

「銀座では最新のトレンドを抑えつつも、一時的な流行に惑わされることのない普遍性を同時に追求したバランス感覚が求められる」(三越銀座店の正木美地・紳士営業部ビジネスセールスマネージャー)。

日本を代表する商業地で、両店が今回出した新たな答え。今後、成功を収めて他店に波及するのか、注目される。

藤尾 明彦 東洋経済 記者

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ふじお あきひこ / Akihiko Fujio

『週刊東洋経済』、『会社四季報オンライン』、『会社四季報』等の編集を経て、現在『東洋経済オンライン』編集部。健康オタクでランニングが趣味。心身統一合気道初段。

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