イケアが2ケタ成長、好決算の背景とは? 8月期決算は11%増の358億ドルを記録

拡大
縮小

音量にご注意ください

世界最大の家具小売店として知られるイケアは、終了した2015年8月期の売り上げが前期比で11パーセント増加し319億ユーロ(358億ドル)になったと報告した。

分解されたフラットパックの状態で家具を販売し、自分で組み立てるコンセプトのスウェーデンの会社は、なぜそんなに好調なのだろうか。

中国、ロシアで急成長

人によっては悪夢のような存在である組み立て式のフラットパックの家具。しかし、この販売方式がイケアに大金をもたらしている。

イケアを支えているものは、すぐに壊れるような弱弱しいものではない。ヨーロッパでは政府も消費者も、ここ数年にわたって財布のヒモを締めてきた。その環境下において、より安いスーパーマーケット、よりよい価値を提供している小売店の利益は、上昇している。イケアもそのうちの1社だ。

イケアは2015年8月期に11パーセント増大させた。すべての市場で成長しているが、中でも最も成長力が高かったのが中国、続いてロシアだった。

ヨーロッパでは、ドイツが経済成長をみせる一方で、南側の諸国は「ポジティブな方向」をみせているに過ぎない。CEBRのチーフエコノミックアドバイザーであるヴィッキー・プライス氏は次のように言う。

「経済的な危機があると、人々はより安く、よりクオリティの高い商品へと向かいます。中流階級の人々にとっては、そのような行動は受け入れ可能なことなのです。ヨーロッパ以外の国においても、経済環境が厳しくなる中で、ヨーロッパと同じような動きになっているのです」

イケアは、フラットパック家具により大きな財産を築いた。新たに発表された決算数字は、彼らの販売方法がうまく機能していることを示している。しかし、買物客の1人1人にとっては、自分でうまく組み立てられるかどうか、という難しいチャレンジに日々、直面している。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT