4月までに1200億円超の返済圧力、エルピーダはどこに打開策を見いだすのか

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 エルピーダは「事実とは異なる報道がされている。噂や憶測などに基づく報道に対するコメントは控えさせていただいている」とコメント。実際、各種飛び交っている観測には利益関係者の願望や期待などが入り交じった面もあり、現時点では着地点がどこになるのか、その方向性すら明確にはなっていない。

とはいえ、資金繰りのスケジュールを考えると、残された時間はごくわずか。2月2日に予定されている11年4~12月期(第3四半期累計)の決算発表までには、少なくとも計画の大枠を示す必要があり、そこから逆算すれば、今月が最大のヤマ場となる。

問題は、DRAM市況が急落した直近の7~9月期(第2四半期)決算で黒字を確保できたDRAMメーカーが、世界トップの韓国サムスン以外には存在しないということだ。世界2位の韓国ハイニックス以下、世界のDRAMメーカーはすべて赤字。その中にあって、DRAM専業で、ほかに収益源を持たないエルピーダが資金繰りをつけるための再建計画を見いだすのは、並大抵の作業ではない。

取引先の出資や産活法の適用再認定で時間稼ぎができたとしても、究極的には業界再編によって企業の形を変えるか、経済産業省、産業革新機構による国家支援を取りつけるか、そのどちらかの道を模索するしかないように見える。

※写真:09年の公的支援決定時に記者会見する坂本幸雄社長(撮影:今井康一)

(長谷川 高宏 =東洋経済オンライン)

◆エルピーダメモリの業績予想、会社概要はこちら

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