モチベーションは「アゲる」ものではない 仕事への意欲が下がったときの対処法

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誰かのために料理をするときのことを考えてみてください。「もっとおいしいものを作って相手を喜ばせたい」と考えて作ると、成功率が高くなりませんか。そんな呪文を仕事でも使えばいいのです。

決められたとおり、指示とおりにやるだけでなく、どうしたらもっとおいしく、おもしろくなるかを考える。たとえば、新しい資料を作るときは、「どうしたらチームがもっと動いてくれるか」という呪文を唱えると、数字のまとめ方や見せ方のアイデアが浮かびやすくなります。自社の製品に特徴がないと思ったら、「どうしたらその製品がおもしろくなるか」と唱えて、何か工夫を加えようと考えると、目の前の仕事を楽しめるようになります。

米アップルの創業者スティーブ・ジョブズ氏もこれに似た呪文を使っていました。「宇宙に衝撃を与える」――そのくらいインパクトがある製品を生み出すという意味です。宇宙に衝撃を与えるとまではいかなくても、目の前にあるものをもっとおもしろいものにしようと考えると、前向きな意欲がざわざわと芽生えてくるのではないでしょうか。

「はたらく理由」を見直す

仕事に対するモチベーションを高く保つには、自分がなぜ働いているのかという「はたらく理由」を見直してみるのが効果的です。

よく「『なりたい自分』を見つけて、それに近づきたいと思うことが働くモチベーションになる」というキャリア論をよく見かけます。これは、人間のモチベーションには何段階かの「ギア」があって、最高レベルのギアが「自己実現(なりたい自分になる)」である、という心理学の理論を根拠にしているのですが、それを働くモチベーションに当てはめると違和感をおぼえます。働くモチベーションとして必ずしも低い段階のギアが悪いわけではないし、最高レベルのギアのモチベーションは実は「自己実現」なんかではないと思うからです。

「はたらく理由」は、人によって異なるギアでモチベーションが生じる心理的欲求です。心理学の理論を組み合わせた「はたらく理由」は次の6ギアになります。

次ページ「はたらく理由」、6つのギアとは?
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