35歳で「はしご外されない」女子社員の生存術 女の活躍には「男が疲れすぎない社会」が必要

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現在は1200人の組織をまとめるリーダーとして活躍している柏村美生さん

この話について、会場からは「自分を理解することは難しい。やろうとしても間違ってしまう。柏村さんはどのようにしているのですか?」という質問が。

柏村さんは、「年に何回か考えるタイミングを決めている」「集中して考えられる場所に行って考える」と答えました。さらに、毎年5人の人を決め、その5人から自分についてフィードバックをもらっているのだそう。これを11年間続けているといいます。

「新人時代からのお客様と自社の大先輩、そして友人。この3人には毎年フィードバックをもらっています。あとの2人は、そのときにいちばん『この人からは言われたくない』という人を選びます(笑)」。長所も短所も忌憚ない意見をもらうことが「自分への発見・客観的な自覚化」につながるのだそうです。

普通、人は耳の痛い意見を遠ざけてしまいがち。しかし耳の痛い意見だからこそ、自分を成長させてくれるのでしょう。

35歳になったとき、いくつスキルを持っているか

(2)能力を増やすことは選択肢を増やすこと

女性は35歳になった途端、「急にはしごを外される」とよく言いますよね。どういうことかというと、それまでは「女性だから」という理由で多かれ少なかれ甘やかされていたけれど、35歳を超えると急に周囲の態度が一変するということです。

もし20代の女性が今、「自分はもしかして甘やかされている状況かも」と感じたなら、やることは一つだけ。出来ることを増やしましょう。これも(1)のメタ認知の話とつながりますが、自分の強みを知ったら、とにかくそれを伸ばすこと。そしてその強みを少しずつ増やしていくこと。

柏村さんは言います。「あなたが25歳だったとして、10歳年上の先輩を見て『自分と同じぐらいのスキルだな』と感じたら残念に思いませんか? 35歳になったときに自分がスキルをいくつ持っているかで、その後の人生の選択肢が増えます」。

(3)女性は、最後は大切にしているものを選ぶことができる。だからそれまでは欲張っておく

29歳で上海に赴任してから6年後。現地のスタッフとも信頼関係を築き、社会を変えていく仕事の面白さにやりがいを感じていた頃、会社から「あと2年上海にいて」と打診された柏村さん。ご主人に相談すると「いいんじゃない」と返事があり、しばらくこのまま単身赴任を続けても良いかもしれないと考えていたそうです。

ところが、久しぶりに帰った東京の自宅で、柏村さんの気持ちを変える出来事が起こりました。

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