【産業天気図・ビール/飲料】「ビール戦争」復活。飲料はコカ・コーラの安売りに注視

07年度もビール業界は「曇り」が続く見込みだ。少子高齢化や飲酒運転の取り締まり強化が進む中、酒類を取り巻く環境の厳しさは相変わらず。ビール4社は唯一の成長分野である「第3のビール」に焦点を当てて販売競争を繰り広げてきたが、それも一段落し、07年度はビールが主戦場となりそうだ。
 キリンビール<2503.東証>は、設立100周年に合わせてビールの大型新製品の発売を計画中。発泡酒と第3のビールが好調なキリンにとって残る課題はビール。現在の好調を維持できるかどうかは、このビール攻略戦が左右しそうだ。対するアサヒビール<2502.東証>も主力のビール「スーパードライ」発売20周年キャンペーンを準備して対抗する構え。苦戦の発泡酒でも新製品投入を計画している。06年に大量投入した新製品効果の反動も考えると広告販促費は高水準が続く見通しで、営業利益回復は小幅となりそうだ。
 一方、サッポロホールディングス<2501.東証>では「エビスブランド戦略部」を設けて「エビスビール」のマーケティングを強化する方針。第3のビール「ドラフトワン」は苦戦が続いており、発泡酒と合わせてのテコ入れが必要となりそうだ。
 清涼飲料の天気も「曇り」。値引き販売が常態化して販売促進費の膨張に悩む飲料メーカーは、過度な新製品投入を控える動きが目立つ。この中で注目されるのがトップのコカ・コーラ勢の動きだ。工場稼働率を上げることで生産コストを大幅に削減する方針を掲げ、安売りによるシェア拡大を仕掛けてくるもようだ。収益低迷に悩むコカ・コーラウエストホールディングス<2579.東証>やコカ・コーラセントラルジャパン<2580.東証>、三国コカ・コーラボトリング<2572.東証>、四国コカ・コーラボトリング<2578.東証>、北海道コカ・コーラボトリング<2573.東証>など上場ボトラー各社は、販売促進費が膨張する懸念がある。ライバルのサントリー<非上場>やキリンビバレッジ<キリンビール傘下で非上場>、アサヒ飲料<2598.東証>も、この安売り競争に巻き込まれる懸念があり、決して見通しは明るいとは言い難い。なお、ダイドードリンコ<2590.東証>など自販機中心の飲料メーカーにとっては、悪天候の反動で改善が期待できそうだ。
【前田佳子記者】


(株)東洋経済新報社 会社四季報速報プラス編集部

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