2011年の国内ゲーム市場は超大型ヒットなく前年比微減。「マリオ」と「モンハン」など人気シリーズの底力が顕わに

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 ゲームソフトは発売後1カ月間をピークに売り上げが降下するのが普通だが、PSP向けモンハンは11年春頃まで10代男性を中心に人気が持続した。ちなみに、4位は3DS向け「モンスターハンター3(トライ)G」(カプコン、11年12月10日発売、年間販売本数80万本)だった。任天堂のマリオシリーズをはじめ、既存の大型タイトルが市場を下支えした格好だ。

11年はもともと、ハードの新製品発売が相次ぐことから、業界内では非常に期待された年だった。年末にかけては3DSの底入れや、プレイステーションヴィータの年末発売があったほか、人気シリーズのソフトは堅調に売れた。ただ、3DSの不調に加え、ゲーム人口の拡大を予感させるような新たなタイプのソフトが発売されなかったこともあり、市場は業界関係者の期待通りには拡大しなかった。

12年の家庭用ゲーム機市場でも、「ロングヒットを記録できるタイトルがどれだけ出るか」がポイントになるだろう。新興勢としてスマートフォンや携帯電話向けゲームが台頭してきているが、ここ2~3年に限れば、既存の家庭用ゲーム機市場が最大勢力であることは間違いない。ソフトがハードの売れ行きを牽引することから、人気シリーズを有する大手数社の戦略に、市場の動向が左右されそうだ。

(前野 裕香 =東洋経済オンライン)

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