新型iPhoneには強烈な武器が仕込まれている 3D Touchをマネすることは容易ではない

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マイクロソフトは、得意とするパソコンの領域にタッチパネルとペン入力機能を持ち込み、Surfaceシリーズの完成度を高めることでビジネスにも使えるパーソナルコンピューティングの新しい形を模索してきたが、アップルはiPadをパソコンに近づける道を選んだ。

また、iPad Proには独自に開発した技術が盛り込まれている。それがApple Pencilという技術だ。

いわゆるペンタブレット機能だが、見た目にはタブレット対応による視差増加は感じられず、また滑らかな筆圧検知だけでなく、”寝かせる”ことで表現を変える角度検出機能を備える。

実際にこのApple Pencilで文字を書いてみると、驚くほど自然に筆致表現できる。角度検出では鉛筆ツールで”軽く塗りつぶすような”表現も可能だ。視差だけでなく、画面位置によるペン先位置のドリフトもなかった。
厚さは6.9ミリとiPad Airの6.1ミリ若干厚いが、画面サイズが大きいためより大きく感じられる。重さはWiFiモデルが715グラムで、これは初代iPadよりも若干軽い。

iPad Proのリリースに先立ち、アップルはIBMやシスコシステムズとの協業を進めているが、この製品によってアップルの企業向け戦略は前進するはずだ。

見た目は変わらないiPhone 6s

 一部では”ほんの少し厚くなる”との情報もあったiPhone 6sシリーズだが、実際に登場したiPhone 6sは新色としてローズゴールドが投入された以外は、見た目もほとんど変わらない。

予想された通り、より高速なプロセッサ、より高速なグラフィックス、より認識速度が速い指紋センサーへの進化は遂げているが、おなじ筐体のまま部品を新しくしただけ。アップデートされる年次更新モデルらしい、「よりよいiPhone 6」に他ならない。

iPad Proのような鮮烈な印象はないが、しかしハンズオンで実物に触れてみたとき、もっとも大きな印象を受けたのはiPhone 6sシリーズだった。なぜなら、新たに投入した3D Touchという機能が、Androidスマートフォンとの明確な差異化を実現していたからだ。

3D TouchとはApple Watchで導入していた”フォースタッチ”という機能を、”タプティック・エンジン”という感触を振動で指先にフィードバックするメカニズムと組み合わせたタッチ操作だ。

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