三越日本橋本店の大改装計画、新館のメンズ館への業態転換案も浮上

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「顧客層は70歳」の声も

抜本的な改装案が出る背景には、今後予想される厳しい競合関係がある。

東京駅直結の大丸東京店は12年8月に第2期工事が完了し増床オープン。三越に程近い高島屋東京店も隣接地の高層ビル化に伴い、18年に約24%増床する計画だ。

また、一駅隣の有楽町・銀座エリアでは、11年10月に阪急メンズ館とルミネが開業。16年には松坂屋銀座店の建て替えも控える。競合店の増床・改装ラッシュが相次ぐ中、三越本店も指をくわえて見てはいられない。

改装に当たり、課題は客層の若返りだ。「(近隣の)高島屋や大丸に比べても、顧客の年齢層が高く、70歳に迫るのでは」(別の大手アパレル幹部)との指摘もある。業界最大手の三越伊勢丹HDにとって、日本橋本店は新宿、銀座と並ぶ旗艦店。同店の浮沈は、グループの命運を握る重要なカギとなりそうだ。

三越伊勢丹ホールディングスの業績予想、会社概要はこちら

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(鈴木良英 撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済2012年1月7日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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