企業価値を高めた社長 ベスト163《独自試算!経営トップの通信簿》

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4位の田村友一氏はジェネリック医薬品大手の日医工の2代目社長。89年に同社に入社。00年に父・田村四郎氏(故人)から社長の座を譲り受け、ジェネリック医薬品の拡大に注力。企業価値を14倍に押し上げた。5位の西河洋一氏は99年にアーネストワン(当時は伏見建設、00年9月に現社名に変更)に入社。現在、主力事業となっている分譲住宅事業の成長を牽引。上場以来、10年弱で企業価値を13倍に押し上げた。

短期間で企業価値を大きく引き上げたという点では、16位にランクインした田中良和氏などがいる。携帯電話向けゲームサイト「GREE」の運営会社グリーを04年に設立。08年に株式上場を果たした。同じく携帯向けゲームサイト「モバゲー」を運営するディー・エヌ・エーの創業社長だった南場智子氏は、家族の看病のため今年6月に代表取締役を辞め、取締役となったことでランク外となった。ちなみに、上場日から直近まで時価総額は5倍に拡大。「たられば」になるが、現在まで代表者を務めていれば上位にランクインしたはずだ。

なお、企業価値増大倍率への寄与度が高い時価総額については、当然ながら株式市場全体の状況も影響を及ぼす。上場時に高値がついたり、株式市場で材料視され、業績に関係なく株価が上昇するようなケースもある。好業績を上げていても、相場全体が下降トレンドにあるため株価に直接反映しないこともある。

とはいえ、トップ3に入ったニトリホールディングスの似鳥昭雄氏や日本電産の永守重信氏のように、バブル崩壊前の株式市場が活況を呈しているときに上場を果たし、その後の逆風にも負けず時価総額を拡大させている経営者がいることも事実。企業価値の最大化を求める株主の期待に応えることは、経営トップとしての責務だ。

■次ページ以降に4~163位のランキング表を掲載

■ランキング作成方法
・対象は1部・2部上場で1985年以降に社長(=代表者)就任、もしくは上場した会社。代表者の就任時は、現在の役職の就任時。たとえば、代表者が社長から会長に就任し、代表者を会長としている場合は、会長の就任時が代表者の就任時。
・企業価値増大倍率は、(11月24日時点の時価総額+社長就任後の配当総額)÷(社長就任時の時価総額)、企業価値増加率は(企業価値増大倍率−1)×100で算出
・時価総額は、社長就任の月の月末の時価総額、もしくは上場日の時価総額(上場以前に社長に就任していた場合)と、11月24日時点の時価総額を比較
・社長就任後の配当総額は、就任の翌期(上場前から社長に就任していた場合は上場の翌期)から直近決算期までの配当総額の累積。ただし、就任した(もしくは上場した)決算期に240日以上在任している場合は、その期の配当総額も加算
・代表者は社長、会長など、その会社の代表者。対象期間は時価総額の比較対象となった期間
(出所)『役員四季報』(小社刊)などのデータを基に週刊東洋経済編集部作成

※『週刊東洋経済』12月17日号の特集「ガバナンス不全症候群」では、さまざまな視点から日本企業におけるガバナンス(企業統治)の問題を分析。各種のデータやランキングも満載している。




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