12年度の粗鋼生産は1億トン台維持だが11年度を下回る見通し。国内回復でも円高定着で外需後退--日本鉄鋼連盟が発表

日本鉄鋼連盟が20日発表した2012年度の国内粗鋼生産は、1億トン台を維持するものの11年度を若干下回る見通しだ。

11年度は、国内建設需要が依然鈍く、東日本大震災やタイ洪水の影響で主要顧客の自動車業界で減産となったこと、円高で輸出にブレーキがかかったことで、10年度実績の1億1079万トンから後退し、1億0500万~1億0600万トンにとどまりそうだ。続く12年度はさらに縮小する見通し。

会見した日本鉄鋼連盟の林田英治会長(JFEスチール社長)は、来年4月以降は今年度の同時期を下回るレベルになりそうだとの考えを示し、その理由として、「円高定着で厳しいアジアの鋼材市況のなかで、相対的に日本の鋼材は競争力を失いつつあり、輸出は控えざるをえない」と述べた。

輸入材もさらに増えるとの懸念を示す一方、国内需要はきちんと見通せているという。「製造業の海外シフトは起きているが、普通鋼の内需で4800万トン、特殊鋼で1200万トン程度の需要レベル」(同)だといい、これは達成できる水準だとしている。

12年度は、内需が震災からの復興需要、住宅・設備投資の回復によって建設分野が牽引する格好だが、中国についても8%は成長すると予想。円高が定着しても4000万トン程度の鉄鋼輸出を見込んでいる。

国内の粗鋼生産は、1998年度に記録した9098万トンを底に、今世紀に入ってからは旺盛なアジア需要が下支えする格好で年間1億トンを超過。そこから毎年のように積み増し、07年度には1億2151万トンに達した。リーマンショック後の09年度に1億トン割れ(9645万トン)を喫したものの、10年度には再び1億トンを回復した。

ただ、今世紀初めには1億トン台で並んでいた中国の粗鋼生産量は、10年時点で6億トン台に乗せており、日本勢との差は開く一方だ。韓国勢とともに相次ぐ能力増強で、鋼材市況の悪化要因になっている。日本勢は、円高定着により輸出採算の合わない鋼種も増えており、鉄鋼業界には厳しい環境が続いている。

(山内 哲夫 =東洋経済オンライン)

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