(第77回)キャリアセンター意識調査~その1 2013年卒採用の変化

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「賛同する」の回答者は、12月開始になったことによって、「早期化の是正」が実現したことを評価している。2カ月の後ろ倒しで3年生が学業に専念する時間が増えたことに好感している。

ただし、12月1日解禁がベストと考えているキャリアセンターはほとんどない。改革の第一歩として評価しているだけだ。

「賛同する」の回答には、「3年の終わりの春休みからになると、なお良いと考える」「大学3年生の後期授業を欠席する学生が増加しているため、出来れば2月以降にしていただきたい」「希望は翌年の3月1日から」と、さらに遅くすべきだと考えている様子がうかがえる。

「賛同しない」回答も内容は似ている。ただし「賛同する」回答が「広報開始が2カ月遅れる」ことを評価しているのに対し、「賛同しない」回答は、選考開始が4月と従来どおりであることを否定的に考えている。

「選考スケジュールについては変更がなかったため、学生の就職準備期間が、タイトになっただけ」「選考の開始は4月のままであり、学生の企業研究活動が不十分なまま選考に突入することが懸念される」「学生の就職活動期間が短くなり、集中するため、負担が大きくなる」と、就活期間の減少を問題視している。

「どちらとも言えない」もコメントの内容は「賛同する」「賛同しない」とよく似ている。「選考開始時期が従来のままであれば、採用活動期間が必然的に短くなり、学生が十分業界や企業を理解しないまま選考に臨んでしまうことが考えられる」「定期試験が終了する2月中旬以降が望ましい」と、さらに遅くすることを望む声が多い。

コメントの内容を整理してみると、

・2カ月遅らせたことは評価する
・評価はするが、もっと遅らせるべきではないか
・12月1日より前の段階で、キャリア教育の講師として企業に協力してもらうことが難しくなったことは困る
・広報開始を2カ月遅らせるなら選考開始も遅らせ、学生の就活の時間を確保してもらいたい

というものだ。

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