英語特集

ビジネスパーソンが持つべき
英語力とは、すなわち「対話力」
COCO塾

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ビジネスシーンにふさわしい英語とはどういったものか。語学スクールCOCO塾では、その基本となるのが「対話力」だと言う。通じるだけの英語力と、対話力の差はいったい何なのか。そして、対話力とはどうすれば身につくのか――。

英語力=「有利な転職」の落とし穴
日本語でも英語でも求められるのは“対話力”

「英語力があれば転職に有利」とはよく言われることだ。転職情報サイト「リクナビNEXT」を運営するリクルートキャリアが実施した「転職世論調査」では「英語力の有無で、応募できる求人の数に違いがあると感じましたか」という問いに対して、違いを実感したのは実に49.7%。また「英語力が足りなくて応募できなかった求人があった」という転職希望者も4割に上る。

英語力があれば転職時に応募できる求人の幅が広がるといえるのではないだろうか。英語力と転職の関係についてリクルートキャリアの川口かおり氏が解説する。

「国内市場が成熟し企業が成長市場を求め海外進出を図っている昨今、英語力は必然的に求められてくるでしょう」

ただし、英語力さえ身に付ければ望みが何でもかなうわけではなく、思わぬ落とし穴にはまる可能性もある。川口氏によれば、「語学力のみでの転職は厳しい」と言う。当たり前だが、転職市場においては本質的な能力・経験が求められるからだ。

英語は武器にはなるが、決して万能薬ではない。英語ができたとして、転職活動の際に、あるいはプレゼンの際に、理路整然と自分の考えを伝えられるか。独りよがりでは相手に自分の考えが通じたとしても、心を動かすことはできない。相手の意図をくみ、自分の意見を正確に伝えることが必要になってくる。

ビジネスの現場では、日本語でも英語でも「対話力」が求められている。

重視するのは聴く力、まとめる力、伝える力

グローバル化が進む現代において、昇進の条件としてTOEICのスコアを求められることもあるだろう。あるいは、海外の取引先と英文メールのやり取りをすることも少なくないのではないだろうか。

だが、実際にグローバルの商談となれば、テーブルの前に座る人とコミュニケーションを図り、納得させなければならない。交渉の場では、TOEICのスコアなど無意味で、面前の相手にメールを打つわけにもいかない。

そんな時に発揮されるのが「対話力」だと、COCO塾船橋校のスクールマネージャー・浅見洋一郎氏は言う。

「対話力とは『聴く力』『まとめる力』『伝える力』という三つの要素で構成されています。ですから、“How are you? ”, “I'm fine, thank you.”というお決まりのパターンには対話力は入っていません。ここには『まとめる力』が抜け落ちています」

相手の言ったことを聞き、自分なりに咀嚼して、それに対して自分がどのように考えているのかを瞬時に取りまとめて、相手に伝える、というのがコミュニケーションの基本。「相手と意思疎通を図り、有意義な意見交換をするには、ただの会話では不十分です」と浅見氏は対話力の重要性を説く。

具体的に、ビジネスシーンでありがちな例をあげてみよう。大切な取引先にて、英語によるプレゼンテーションを行うことになったとする。開始から約10分。相手がプレゼン内容を気に入り、どんどん質問を投げかけてきた。自分としては、その質問に答えたいのはやまやまだが、まずはプレゼンを最後までやり遂げたい気持ちもある。

和やかな雰囲気で授業は進む。「積極的に発言してもらうことが英語の上達につながります」とCOCO塾船橋校インストラクターのハンス・ヴァン・エス氏

そこで、相手に失礼にならないように、自分の考えを伝えるにはどうすればいいか。日本語でなら「申し訳ございませんが、質問はのちほどまとめてお受けしたいと思います」と丁寧に告げられるだろう。しかし、これを英語にすると、“I can't answer any questions now.”と直球を投げてしまったり、“I'm sorry, please do not ask questions now.”と丁寧に言ったつもりが、声のトーン次第で命令調に聞こえてしまったりという無礼な応答をしかねない。このとき、“If you don't mind, I'll take questions at the end of the presentation.”(もし、よろしければプレゼンテーションの最後に質問をお受けいたします)などとワンクッション置いた表現がさらりと口をついて出てきたら、好印象を与えることができるはずだ。

「対話力」を磨くメソッドが英語上達への近道

COCO塾では毎回のレッスンの始まりに、(1)取り上げるテーマを確認・理解する、(2)繰り返し反復練習する、そして、(3)自分の言葉で話すロールプレイやディスカッションを行う、という流れを繰り返す。この流れを反復した分だけ、自分の中に“使える表現”が蓄積され、対話力が身についていく。

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