過熱する米ヤフー争奪戦、ソフトバンクも食指か

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また、米ヤフーはソフトバンクの子会社であるヤフージャパンの株式を約35%握る。事業立て直しに向けたリストラがささやかれる中、アリババやヤフージャパン株も売却対象として浮上。ソフトバンクが共同買収に名乗りを上げるとすれば、“虎の子”である2社の買収防衛を図る意味合いが強いだろう。

また、ソフトバンクはアリババの本国での上場にも期待を寄せている。現在でも「4000億円以上の含み益がある」(孫正義社長)としており、上場に伴う果実を手に入れたい考えもある。

ただし、ソフトバンクの資金拠出には懐疑的な見方もある。同社は1996年には米ヤフー株を37%保有していたが、断続的に売却し、現在は0・002%しか持っていない。加えて、経営の最重要課題として携帯電話とアジアでのネット事業強化を掲げており、携帯基地局の増設に向けた巨額投資も控えている。米ヤフーへの再投資には株主の反発が起こりかねない。

「アジア連合」による買収は実現するか。

ソフトバンクの業績予想、会社概要はこちら

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(ジャーナリスト:Ayako Jacobbson(在シリコンバレー) =週刊東洋経済2011年12月17日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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