ソニー社長交代に圧力、背水のストリンガー体制

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11月2日に平井氏が発表したテレビ事業の構造改革プランはリストラを軸としたもので、「これまでと違いがわからない」(アナリスト)。翌3日には証券会社が投資判断を引き下げ、株価は急落。アナリストからは「不正アクセスに伴う個人情報流出に続き、テレビの構造改革を説明する場にも、なぜストリンガー氏がいないのか」と“トップ不在”の姿勢にも不信感は高まっている。

今年の株主総会ではストリンガー氏へ退陣を迫る株主に対し、拍手が沸き起こる場面もあった。強気姿勢を貫いてきたストリンガー氏も、取り巻く環境の厳しさにはあらがえないのか。平井氏に権限を集中させたエレキ改革を見直し始めても不思議ではない。

急浮上した人物

OBから次期社長に名前が挙がったのは、意外な人物だった。金融子会社ソニーフィナンシャルホールディングス社長の井原勝美氏だ。

05年に業績不振で出井伸之会長らが辞任したとき、ストリンガー氏が会長兼CEO、中鉢良治氏が社長兼エレクトロニクスCEO、そして井原氏が副社長兼CFOという3頭体制が敷かれた。

だが、09年にストリンガー氏は中鉢氏と井原氏を更迭し、平井氏らをはじめとする若手幹部4人を重用。井原氏はソニー本体を離れ、次期トップ候補から完全に姿を消していた。このため複数の関係者は、「プライドの高いハワードが、自ら更迭した人物を呼び戻すはずがない」と言い切る。

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