欧米勢も商業銀行へ回帰、三井住友の存在感は高まる--三井住友銀行頭取 國部毅

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──国内の競争条件の変化として、みずほフィナンシャルグループのワンバンク化があります。

さまざまな構造改革をしており、関心を持って見ている。みずほグループの顧客基盤は厚く、当行には脅威になりうる。一方、われわれにも三井、住友グループをベースとした顧客基盤があり、個人では2600万の取引をいただいている。スピード、先進性、提案・解決力がわれわれの強さと認識しており、これを継続して研ぎ澄ませる。頭取就任時、支店長会議で「うちのDNAはスピードだが、本当にそれが落ちてはいないか」と、あえて問いかけた。スピードが遅くなっているわけではなく、強さを強調するためにそう言った。

7月からはフロントミーティングと称し、営業部長や支店長だけでなく、グループ長や入行3~4年目の若手とも意見交換している。それを通して、お客様と真摯に向き合い、目標達成に向けて一所懸命に努力していることが非常に伝わってきた。三井住友銀行を支えているのは現場力だということを実感している。

売却の打診は数兆円規模 慌てずに買う対象を厳選

--国際的な自己資本規制(バーゼル�)が強化され、G−SIFIs(シフィズ)(金融システム上、重要な金融機関)の規制も導入されます。世界の金融業の変化や戦略をどう見ますか。

米国のサブプライム問題やリーマンショックを踏まえて、バーゼル�やG−SIFIsという枠組みができた。レバレッジをかけた投資銀行業務が回避され、純粋な投資銀行業務あるいは商業銀行業務のモデルへと欧米金融機関も回帰している。たとえばドイツ銀行は投資銀行業務に舵を切ってきたが、今は逆で、商業銀行業務を拡大しようとしている。各国の金融機関がそうした流れだ。

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