【産業天気図・工作機械】牽引役の中国向け受注が伸び悩み。円高や世界経済の減速受け、「晴れ」から「曇り」に後退

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 来13年3月期は、世界景気の減速も懸念材料となりそうだ。工業化の続くアジア市場の成長余力は大きく、中国政府の金融政策次第で、再び受注が上向く期待は残る。ただ、リーマンショックからの回復期はすでに2年半以上に及んでおり、来期にかけて製造業各社の設備投資が一巡する公算は大きい。森雅彦・森精機社長は「来年度の受注額は(今年度比)20~30%下落する可能性がある」と指摘する。
 
 なお、タイ大洪水では業界全体で1000台の工作機械が水没していると試算されている。すでに各社には補修・修理の依頼が入っており、復興需要が来上期の受注額を押し上げる可能性はある。ただ、効果は一時的だ。

今12年3月期は、豊富な受注残の消化によって、各社、増収増益を達成することが確実。だが、来期にかけては不透明感が強く、業績の伸び悩みも懸念される。

(小河 真与=東洋経済オンライン)

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