韓国で学生ベンチャーが急増、政府の創業支援に課題は山積

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しかし、解決すべき点は多い。人材を育てるためには、大学教育のカリキュラムから変えるべきという指摘がある。KAISTのイ・ミンファ教授は「創業教育は最先端技術の動向を提供することから始まるが、韓国の大学はこの点が不十分」と指摘する。ベンチャー投資金額は増えたが、その恩恵を受ける企業はごく少数であることも問題。韓国ベンチャー企業のうち、ベンチャーキャピタルの投資を受けた企業は1300社、全体の5%にすぎない。

投資規模もまだ小さい。ベンチャー投資規模は韓国のGDP比で0・09%。米国の0・17%、イスラエルの0・45%に及ばない。また、韓国では敗者復活戦が事実上ないことも大きな課題だ。

これらの問題を解決してこそ、韓国で「ポスト・ジョブズ時代」が開かれ、第2、第3のザッカーバーグが誕生しうる。マイクロソフトの全盛期、ビル・ゲイツは「最も恐ろしいライバルは誰か」との質問に、「倉庫で何か新しいことを開発している若者たちだ」と答えた。

野心に満ちた挑戦に名乗りを挙げる若者は韓国でも少なくない。彼らが世界市場に飛び出せる確実な足場を、政府は用意するべきだ。

(韓国『中央日報エコノミスト』11月14日号/イ・ユンチャン記者、キム・ナレ記者 =週刊東洋経済2011年12月10日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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