アベノミクス「2018年賞味期限説」は本当か 中国株安で米国利上げはどうなる

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米国は利上げを英断するのか。利上げ後、日本の個人投資家にはどのような影響が出るのか(写真 : STOCKKING / PIXTA)
9月とも12月とも噂されていた米国の利上げ。そのシナリオは中国株の大幅な下落で再び不透明感を増すこととなりました。米国は利上げを英断するのか。利上げ後、日本の個人投資家にはどのような影響が出るのか。
中国経済の不安定化と米国利上げは日本経済に大きな悪影響を与えると説明するアナリストも増えてきました。しかし、個人投資家として国内外で投資を行っている『勝ち続ける個人投資家のニュースの読み方』(KADOKAWA)の著者・玉川陽介氏は、米国が利上げをしても、アベノミクスによる日本経済の上昇基調が続く理由は数多くあると言います。

米国の利上げは、日本にとってむしろ前向きなテーマ

米国の利上げがここのところ取りざたされています。しかし結論的には、日本の個人投資家が受ける影響は少ないはずです。

そもそも、米国は政策的にも、市場にサプライズを与えずに平穏に利上げすることを当初から意識していたからです。その方針に従えば、9月の時点で中国経済の混乱に収束が見られなければ、このタイミングでの利上げは行われないはずです。

中国株の下落は世界同時株安を引き起こしましたが、その後の急回復を見るかぎり、人々の投資意欲に衰えは感じられません。年内に中国経済が落ち着きを取り戻し、満を持して12月に利上げというのが順当なシナリオでしょう。

利上げが市場や実体経済に悪影響を与え、再び不景気に逆戻りとなるのでは本末転倒で、利上げどころではなくなります。そのため、米国は「適切な」利上げ時期の見極めに時間を費やしたと言って間違いないでしょう。今回は、「さて、そろそろ」と誰もが思った矢先に中国株が大幅下落しましたので間の悪さは否めません。しかし、多少、時期が遅れるというだけで米国利上げの基本シナリオに変化はないといえるでしょう。

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