「つるむ人たち」と、どう付き合うべきか ランチも集団行動をする職場になじめません

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ただ、だからと言って、職場等でつるむ社員を見て、おかしいと考えたこともありません。お互いがお互いの価値観に応じた行動をしているだけです。

とは言え、やはり職場や仕事の場で、住んでいる場所や家族のことを聞かれると正直ギョっとしますね。友人でもないのにそんなプライベートなことを聞いてどうすんだ、と。

さて、いただいた質問の中でいちばん大事な、評価に影響するかということですが、仕事を遂行することに支障が出ないかぎりにおいては、影響しないと考えるのが普通です。

評価の対象になるのは「目的への貢献度」

職場とは、本来、仕事という共通の目的を達成するための集団でしかありません。したがって何よりも重要なのは仕事をお互いの協力の下に成し遂げるということであり、そのために個々人がそれぞれの知識や経験を持って、それぞれの立場に応じた貢献をする、ということです。

別の言い方をすると、共通のゴールの下にたまたま一緒になっただけの集団であり、決して性格や考えが合う人たちが好きで集まっている集団ではありません。そのため、過度に集団行動をしたり、周りに合わせたりしようとすると、どうしても無理が生じ、生きるうえで大事な「自分らしさ」を見失うことにもなりかねません。

会社が存在している目的を考えればわかるように、仕事以外の時間で、ランチなどに一緒に行かないことが仕事の遂行にマイナスの影響を及ぼさないかぎり、仕事における評価の対象になるはずがありません。

とはいえ、おかしなこともあります。「仕事を離れた場所での会話で、本音を話し合うことが大事だ」という時代錯誤なことを言う輩がいます。そうした上司がいれば、評価の対象にしかねません。が、それを気にして、つるむ必要はありません。間違っているのは、その上司です。

むしろ1日の大半を一緒に過ごす仕事で、お互いに本音で会話ができる環境や関係を整備するほうが大事です。

そもそも仕事というおカネをもらってプロとして行動すべき時間内において、まともなコミュニケーションが取れないことのほうが問題視されるべきです。つまり、仕事においてお互いを尊重したうえでまともな会話をしていれば、それ以外のシーンで、自分が好まないならば過度にベタベタする必要はないのです。

ですから、KKさんが行うべきは、まず職場における自分の価値とポジションを確立するべく仕事にかかわるスキルの研鑽を行うことです。そして、つるんでいる人たちを含めて周りと変な距離を置くのではなく、お互いにとって心地よい距離感を確立することを目指すことが求められます。

つるむ彼ら、つるまない私、という対立軸でとらえるのではなく、お互い尊重し合いつつうまくやるのが職場でのルールということですね。それはお互いの価値観ですから、共通の目的たる仕事の達成に影響がないかぎりは、間違ってでも批判などをしてはいけませんし、されるべきでもありません。

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