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“ランチ自転車”で仕掛ける社内ムーヴメント Retty CEO武田和也×リクナビNEXT編集長細野真悟

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細野 やりがいを生むための取り組みが「グッド・アクション」の目的のひとつです。一般的に企業が実施する社内活性化の施策は、社員を束ねるための「ヨコ」の発想が多い。でもRettyさんの場合はちょっとちがう。

ランチ自転車はユーザーにフィードバックできるという事業ドメインから発想した、きれいに通ったタテの施策でしょう。それを社員が楽しむこと、同化することで、結果的に社員同士のヨコのつながりもできている。これは順番がとても美しいと思いますね。

東洋経済 それはWEBサービスの会社だから、というのが大きい?

細野 いえ、WEBサービスじゃなくても、メーカーさんでもどこでも、ユーザー視点を持つところであれば可能でしょう。Rettyさんが大事にしているのは、そこですね。

武田 結局、社内の活性化もカルチャーから生まれるものだと。会社のカルチャーに対して何がフィットするのかーーでスタートしないと続かない。ランチ自転車がそうして生まれたように、です。

細野 事業を楽しむ、ならば銀座にランチに行く、となれば自転車でしょう、じゃあ仕組み化しよう、その順番なのですね。

武田 はい、そうですね。ただ、改善すべき点もあって、そもそも制度を利用する人、しない人がはっきり分かれてきたんです。理由は、立地や暑い日、雨の日がネックになること。そこで、実は「ランチタクシー」の制度化を検討中です。

一同 え!は?(笑)

武田 実はこれからなんですが。「4人集まれば」などの条件をつけて制度化することで、時間が節約できるといった逆に効率的な面もある。1メーターを4人で割れば費用も大きくはないですしね。

東洋経済 リクルートキャリアさんも自社で社内活性化の取り組みはなさっていると思いますが、Rettyさんの一連の取り組みを詳しく聞かれてどう感じますか?

細野 会社の規模が大きくなると、一時的にある仕組みが生まれても、使う人、使わない人が初めからはっきり分かれてしまいます。ある程度成長した会社では、この課題に直面します。

でも、逆にRettyさんのように、創業当初や成長過程の段階で、こうした取り組みがあれば、会社の精神を表す素敵なカルチャーとしてしっかり根づく気がしますね。

武田 おかげさまで、「ランチ自転車」の取り組みをメディアに取り上げていただいたことで、グルメに直結したブランディングができました。また、常連さんがRettyに投稿したことで、多くのお客さんの来店に繋がったと、飲食店さんから感謝されることも増えました。影響力のあるサービスになってきたこともあり、今後は、Rettyの社員としての、飲食店さんでの正しいふるまい方についても教育していきたいと思っています。

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