分譲マンションからAirbnbを排除できるか 管理規約を変えただけでは解決しない

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タワーマンションの高層階は景色がいいこともあり、Airbnbでも人気がある。写真は新築後のオープンルームを見学する人たち(撮影:今井康一)

 自宅を貸したい所有者と旅行客をつなぐ、Airbnb(エアー・ビー・アンドビー)が活況を見せている。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを前に、東京周辺の宿泊施設の不足や、空き部屋の解消を担うことが期待されており、登録物件数は増加の一途だ。

しかし、一部の分譲マンションでは、見ず知らずの他人が出入りすることを警戒する住人も多く、区分所有者どうしが対立する要因にも浮上している。そこで管理規約を変更して規制する流れも生まれてきているのだが、区分所有権の使用を制限することは、実は一筋縄ではいかない。権利者に外国人も多くなってきた現在、解決策としてはどのような形が考えられるだろうか。

今のところ積極的に取り締まる様子はない

Airbnbは、2008年に米国で開始されたサービスで、自宅を短期で貸したい「ホスト」と呼ばれる利用者と、「ゲスト」と呼ばれる宿泊客をつなげるオンラインプラットフォームを提供している。現在の日本では、旅館業法など、いくつかの法律に抵触する可能性が指摘されているが、今のところ積極的に取り締まる様子はない。

政府も、国家戦略特別区域によって旅館業法の適用除外を可能にする道を開いている。こうした規制緩和の元で、将来的にさらに利用が活発になることが予想されている。Airbnbのサポートサービスを行うリーウェイズの巻口成憲代表取締役は「Airbnbを用いた物件の収益性は高く、通常の賃貸と比較して約270%見込める。これから物件を取得して始めたいという問い合わせも多い」と語る。特にホテルライクな設備を持つタワーマンションは、Airbnbでも人気が高い。また、最近の円安の流れに乗って、外国人がこうした物件を投資目的で積極的に購入している。

しかし、外国人がAirbnbを用いて第三者に部屋を貸し出すことで、やはりトラブルも多く発生している。ゲストの旅行客が部屋で大声を出して騒いだり、共用部を使用して散らかしたまま去るといったマナー違反が多発しているのだ。

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