のび太はしずかちゃんとドライブデートの夢を見るのか?《それゆけ!カナモリさん》

✎ 1〜 ✎ 68 ✎ 69 ✎ 70 ✎ 最新
拡大
縮小

 「経験をシェアする」という価値観が高まれば、ツアー自体にテーマ性を持たせることによって同好の志と出会えるという、付随機能も提供できる。そう考えると、「免許を取ろう」よりも、「バスツアー活況」の方が環境との整合性があるように思える。また、「免許を取ろう」であれば、その先にあるのは「クルマをシェアしよう」になるのかもしれない。

かつての若者は、DCブランドにはまってローン組んで服を買った。現在はファスト全盛。 見栄を張る、モノにのめり込むといった肩に力の入った消費は過去のものとなった。トヨタが業界1位の座にかけて、市場の縮小に歯止めをかけたいというキモチはよくわかる。しかし、ドラえもんに頼みたいのはトヨタ自身で、若者のニーズは既にそこにないのかもしれない。

人と人の付き合い方・関係は確実に変化している。それにつれて、モノとの付き合い方も変化しているはずだ。クルマありきで考えていると解は見えてこないだろう。

のび太はしずかちゃんと、バスツアーでバーベキューに行く時代になったのだ。

《プロフィール》
金森努(かなもり・つとむ)
東洋大学経営法学科卒。大手コールセンターに入社。本当の「顧客の生の声」に触れ、マーケティング・コミュニケーションの世界に魅了されてこの道18年。コンサルティング事務所、大手広告代理店ダイレクトマーケティング関連会社を経て、2005年独立起業。青山学院大学経済学部非常勤講師としてベンチャー・マーケティング論も担当。
共著書「CS経営のための電話活用術」(誠文堂新光社)「思考停止企業」(ダイヤモンド社)。
「日経BizPlus」などのウェブサイト・「販促会議」など雑誌への連載、講演・各メディアへの出演多数。一貫してマーケティングにおける「顧客視点」の重要性を説く。
◆この記事は、「GLOBIS.JP」に2011年11月25日に掲載された記事を、東洋経済オンラインの読者向けに再構成したものです。

 

金森 努 青山学院大学経済学部非常勤講師

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

かなもり つとむ / Tsutomu Kanamori

東洋大学経営法学科卒。大手コールセンターに入社。本当の「顧客の生の声」に触れ、マーケティング・コミュニケーションの世界に魅了されてこの道18年。コンサルティング事務所、大手広告代理店ダイレクトマーケティング関連会社を経て、2005年独立起業。青山学院大学経済学部非常勤講師としてベンチャー・マーケティング論も担当。
共著書「CS経営のための電話活用術」(誠文堂新光社)「思考停止企業」(ダイヤモンド社)。
「日経BizPlus」などのウェブサイト・「販促会議」など雑誌への連載、講演・各メディアへの出演多数。一貫してマーケティングにおける「顧客視点」の重要性を説く。
 

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT