「文化強国」目指す中国、コミュニケ発表で文化関連株に注目

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文化部の蔡武部長(大臣)はコミュニケ採択に関連して、「中国の文化関連産業は16年にGDPの5%を占めるだろう」と発言している。現状から見ると、今後5年間で関連産業が2割成長を遂げる計算になる。これまでも中国国内のインターネット広告市場規模(2)や新聞購読部数(3)は右肩上がりで推移してきたが、こういったトレンドは新政権の下でも維持されるとの期待が膨らんでいる。

Wind資訊のリポートは業界内の7社を注目銘柄として紹介している。アニメや子ども向けドラマを手掛ける「広東奥飛動漫文化」、動画共有サイト運営の「楽視網信息技術」など、日本ではまだ認知度の低い企業名が並ぶが、こういった企業がこれから国内外で大胆に事業展開していく可能性もありそうだ(4)。

また、注目銘柄の中には電通との合弁PR会社を持つ「北京藍色光標品牌管理顧問」や、角川グループHDと合弁でコミック雑誌を発刊した「中南出版伝媒集団」など、日本企業と資本・業務提携する企業もいくつかある。中国のソフトパワー育成戦略は日本の関連産業にもビジネスチャンスをもたらすのかもしれない。ただ、文化産業指数に組み入れられている企業の平均時価総額は約63億元(819億円)と小粒。産業育成の期待が過熱すれば、粗い値動きの展開もあると警告している。

(Wind資訊(中国・上海の金融経済情報会社) =週刊東洋経済2011年11月26日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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