大塚製薬が新薬で大型提携、特許切れ克服へ一手

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大塚製薬が新薬で大型提携、特許切れ克服へ一手

大塚ホールディングスの医薬品子会社である大塚製薬は11月11日、デンマークの大手製薬企業ルンドベックと、統合失調症など中枢神経領域における世界規模での新薬開発・商業化で提携契約にこぎ着けた。

現在、大塚では、年間売上高4000億円規模に達している抗精神病薬エビリファイが稼ぎ頭。だが、2015年4月に最大市場の米国で特許が切れる。それだけに、特許失効前に有力企業との提携を実現したことは朗報だ。

日本ではあまり知られていないが、ルンドベックは抗うつ・抗不安薬で世界シェア首位の企業。世界売上高約40億ドルの抗うつ薬レクサプロなどを擁し、欧州や南米に強固な販売網を持つ。

同社と大塚は、エビリファイの改良製剤(1カ月に1回投与の持効性注射剤)およびエビリファイ後継薬の開発・共同販売で提携契約を締結。開発費用や売り上げは両社で分け合う。一方で大塚は今後、ルンドベックから最大約18億ドルを契約一時金や売上達成金などの形で受け取る。

ここ数年、日本企業は欧米企業の買収や新薬候補品の導入に大金を支出。その反面で10億ドルを超える収益を手に入れるケースはまれだ。大塚は提携を通じて新薬の開発や販売体制構築を加速。大手製薬各社が直面している「パテントクリフ」(特許切れと後発医薬品参入による売り上げ激減)の克服を目指す。

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