オリンパスの粉飾疑惑、金融庁が12年前に黙殺

拡大
縮小


 記載されている中には、日本債券信用銀行、永代信組など、その後経営破綻という形で隠蔽損失の清算を迫られた企業も少なくない。が、その一方で、オリンパスのように損失処理を回避し続けてきた企業もある。リストには、今なお飛ばしの事実を世に知られていない、多くの会社の名が載っている。

金融庁にとっては、手出しできずに黙殺してきた案件が後々肥大化し、日本の企業史に残る大不祥事となってしまった。同庁は「関係書類が残っていないので、コメントは控える」としている。

金融庁は実態解明に向けて、当時の担当監査法人の調査などに動き出した。しかし、それを前にして今、把握していた過去の事実を振り返り、さぞかし苦い思いをしているに違いない。

オリンパスの業績予想、会社概要はこちら

[+画面クリックで詳細チャートを表示 <会員登録(無料)が必要です>]


(本誌:浪川 攻 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済2011年11月26日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT