日経平均331円安、中国情勢への警戒強まる 上海株一時下落で先物売り、1カ月ぶり安値

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 8月19日、東京株式市場で日経平均は大幅続落。前日に急落した上海株がきょうも下げ止まらず、外部環境に対する警戒感が強まった。都内で7月撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 19日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は大幅続落。前日に急落した上海株がきょうも下げ止まらず、外部環境に対する警戒感が強まった。後場に入り先物主導で売られ、下落幅は330円超。

東証1部銘柄の87%が値下がりし、日経平均終値は7月13日以来、約1カ月ぶりの安値となった。

18日の米国株式市場では主要3指数が反落。これを受けて東京市場は軟調な滑り出しとなったが、午前中は下げ渋る動きもみせていた。ところが上海総合指数<.SSEC>が一時5%安まで下げ幅を拡大。これに反応したヘッジファンドによる先物売りの観測も聞かれ、日経平均は一段安となった。

上海株はその後、下げ幅を縮小したものの、日本株は安値圏でもみ合いを継続。ファナック<6954.T>やコマツ<6301.T>、鉄鋼株が後場に入り軟化した。午後に発表された7月の訪日外国人客数は堅調な内容となったものの、コーセー<4922.T>や資生堂<4911.T>はマイナス圏で推移。インバウンド関連銘柄への反応は限られた。

上海株安に加え「天津における爆発事故を機に、中国情勢そのものへの警戒が広がりつつある」(中堅証券)との声も聞かれた。押し目買いの機運も乏しく、大引けにかけて指数はさらに下げ幅を広げた。

丸三証券経済調査部長の安達誠司氏は「海外の様々な懸念材料とは別に、日本株だけ上昇するというストーリーは見込みにくい」と指摘。中国や新興国経済に不透明感が強まるなか、今後は国内企業の業績への影響に対する懸念が、日本株の重荷となる可能性もあるとしている。

個別銘柄では東芝<6502.T>が大幅高。18日に9月下旬の臨時株主総会で発足する新経営体制とともに、2015年3月期業績が最終赤字になる見通しを発表。一旦悪材料出尽くしとの受け止めから買い戻しの動きがみられた。またサイゼリヤ<7581.T>がしっかり。18日に発表した自社株買いの決定を材料視した。

東証1部騰落数は、値上がり169銘柄に対し、値下がりが1652銘柄、変わらずが69銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      20222.63 -331.84

寄り付き    20467.49

安値/高値   20218.03─20521.97

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1648.48 -23.74

寄り付き     1665.15

安値/高値    1648.48─1670.14

 

東証出来高(万株) 209975

東証売買代金(億円) 24254.75

 

(長田善行)

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