韓国・李明博政権の「資源外交」

「血税の浪費」と集中砲火

 

 

「資源外交」を唱えて2008年に発足した李明博政権は、国民から好意的に迎えられた。資源小国・韓国にとって重要政策であり、政権発足当初は李大統領自身も資源大国を夢見て外遊を繰り返した。ところが、来年の大統領任期切れを前に、外交の成果はあまり伴っていないことが判明してきた。

李政権初期の首相だった韓昇洙氏は、就任後3カ月の間に中央アジア4カ国に、大規模使節団を従えて外遊。与党ハンナラ党の重鎮らも特使として出向いた。大統領らは帰国のたびに「石油やガス、鉄鉱石、銅、ウラン、リチウムを獲得した」とアピールし続けた。しかし、実際に“獲得”したものは資源でなく、法的拘束力のないMOU(了解覚書)だった。李政権は、それを資源外交の成果と見なしていたのだ。

9月中旬に開かれた国会の国政監査では、李政権は与野党から「(資源外交は)見せかけだけ」「血税の浪費」と集中砲火を浴びた。特に、韓国石油公社や韓国鉱物資源公社によって多額の投資がなされたが、投資資金の回収すら困難なMOUを乱発しただけと批判されたのだ。

最大野党・民主党の議員は、「現政権が締結した26件のMOUのうち、本契約に至ったのは5件のみ」と指摘、中身のない外交と批判。別の民主党議員は、「政府が推進した270件の海外開発事業のうち、成功したのは17件、失敗が100件」と訴えていた。

知識経済省など資源関連省庁や公社関係者は、国会からの追及に反発している。MOUの本契約締結に関する比率だけを取り上げて、資源外交全体を批判するのはおかしい、と主張。鉱物資源公社関係者は、「資源外交のMOUは、一国との対話の窓口が開設されたとの意味を持つ。交渉のテーブルを用意するだけでも、多大な努力が必要」と反論する。

 

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