キリンHD社長「販促費はこれ以上増えない」

ブラジル事業は減損も

 8月18日、キリンホールディングスの磯崎功典社長は、ロイターとのインタビューに応じ、競争環境の激化で収益性が悪化しているブラジル事業について、今秋から減損テストを実施することも辞さないと述べた。都内で2013年1月撮影(2015年 ロイター/Issei Kato)

[東京 18日 ロイター] - キリンホールディングス<2503.T>の磯崎功典社長は18日、ロイターとのインタビューに応じ、来期以降のビール事業の販売促進費は今期以上に膨らむことはないとの見通しを示した。当面、高水準な投資が必要なものの次期中期計画の最終年度となる2018年には「一段落している」と語った。

磯崎社長は「落ちたシェアを上げるのはかなり大きなエネルギーが必要になる。必要な投資はしなければならない」と述べ、主力ブランドへの投資のほか、市場創造に資する投資を行う方針を示した。ただ「これ以上増やすことはない。ここが天井」とも述べ、今期以上の額に膨らむことはないとの見通しを示した。

同社は、2015年1―6月期にビール類(ビール・発泡酒・新ジャンル)で6年ぶりのシェアアップを果たした。一方、キリンビールの販売費は前年同期比67億円増加、営業減益となった。販売費は年間でも前年比97億円増加する計画となっている。

ブラジル事業は減損も

磯崎社長は、競争激化や市場環境の変化で収益性が悪化しているブラジル事業について「これ以上悪化すれば、今秋から減損テストを実施することは辞さない」と述べた。そのうえで「減損が必要となればやむを得ない。きちっと1回きれいにする」とし、減損実施も回避しない考えを示した。

キリンは、2011年にスキンカリオール社(現在はブラジルキリン)を買収し、ブラジル市場に参入。買収時は「安定的な成長が見込める」としていたものの、市場縮小のなか足元で苦戦が続く。15年12月期の営業損益は期初に57億円の黒字を計画していたが、中間期時点で営業損益ゼロに修正した。

新しいCEOが着任し「チャネルの組み替え、営業体制の改善を陣頭指揮を取ってやっている」という。強みを持つ北部・北東部に集中して、ブラジル事業の再建を目指す。そのうえで「この事業は収益が回復した後どうするか、もう一度、ポートフォリオとして見直さなければいけないと思っている。もっとグループを強くするために、いろいろな選択肢が出てくる」とした。

一方、フィリピンのサンミゲル・ビールには約48%を出資している。親会社のサンミゲル・コーポレーションの保有株の買い取りについて磯崎社長は「常にそういう話はしている。先方からそういうオファーがあれば、価格次第だが応じる。興味がある」と述べ、従来からの考えに変わりがないことを明らかにした。

同社は、2016年12月期から次期中期経営計画が始まる。磯崎社長は「今までROE(株主資本利益率)はKPI(重要業績評価指標)に入れてなかったが、非常に重要な要素だ。KPIに入れるか検討作業をしている」としたうえで、最終年の18年12月期のROEについて「ROE9%以上、のれん償却前ROEで13―14%はやりたい。そのためには、ひとつひとつの収益を高めていかないといけない」と述べた。同社のROEは、15年計画で約7%。

 

(清水律子 浦中大我 編集:宮崎大)

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