ボンディングワイヤのデパートになる--田中電子工業社長 笠原康志

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縮小

銅が普及している理由は、お客さん側が使いこなせるようになったのが1つ。また金価格が高騰しているため、厳しい条件下でも、銅を使おうという顧客が増えている。ただ、金製ワイヤも細線化の技術進化によって、なくなることはない。受け入れる側の体制ができれば、われわれは今よりさらに細い金線を提供することが可能だ。

金から銅などへのシフトが、ボンディングワイヤ以外でも広がるかといえば簡単ではない。中でも半導体材料は材料メーカー、設備メーカーなどが足並みをそろえないと材料を変更することはできない。

ボンディングワイヤが銅に変わったのも、表面を覆う樹脂が悪さをしないよう、樹脂メーカーが研究した成果でもある。企業同士が複合体で研究しないと、代替金属へのシフトは進まないだろう。

(週刊東洋経済2011年11月12日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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