外資系社長が伝授する英語スピーチの心構え 文法の間違いを気にする必要はない

✎ 1〜 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 12
拡大
縮小

安河内:確かに。私も慣れるとスピーチはやりやすいと思います。英語ネイティブと1対1で会話するよりも、口調はゆっくりでOKですし。 スピーチ、プレゼンともに、似たようなトピックを話す場合が多いですから、細かいミスに凹んだりせず、どんどん場数を踏むことです。

鉄則その5:雑談では自分のことをしっかり語る!

安河内:日本人がもう1つ苦手なのが、契約交渉もうまくまとまりビジネス的には一件落着して、「さあワインでも飲もう」となったとき。あとは、会社関係者でのパーティとか。そういう場で英語のコミュニケーションをとるのって苦労しませんでした?

何気ない会話を英語で話せることが大事

留目:しました。今でも苦労しています。ビジネスの会話のほうがむしろできる。パーティで何気ない日常会話をするほうが難しく感じます。

安河内:ビジネスの話は一切せずに、家族や趣味など、他愛のない話をする。Fワードなんかも飛び出たりして、バカ話にも付き合わなければならない。そんな状況をどう切り抜けているんですか?

留目:パーティのカジュアルカンバセーションっていうのは、お互いを知って打ち解けていくのが目的だったりします。ですから、相手の話を聞くだけでなく、自分のことも適度に話したほうがいいと思うんです。I had a business trip to Sydney last month. I love there because ...(先月シドニーに出張に行ったんだけど、シドニー好きなんですよ、なぜなら……)とか、I love golf both playing and watching PGA Tour. I am a big fan of Adam Scott.(ゴルフはやる方も好きだし、PGAツアーを見るのも大好きです。特にアダム・スコットのファンなんですよー)といった感じで、毎回自分のことを話すようにしています。

安河内:自分の周辺の事柄を英語でさらっと話せるようにしておけ、ということですね。

留目:はい、話せたほうがいいです。相手に自分のパーソナリティを伝えることが大事ですから。

安河内:形式的な英語の表現ではなくて、パーソナリティが伝わる英語が肝心だと?

留目:はい。それと、相手の話しに反応を示すことも同じように大切でしょう。面白いことに対しては笑うとか、さらに突っ込んで質問をしてみるとか。結局のところ、ビジネス抜きのパーティの場というようなものは、パーソナリティを交換していく場なんだと思います。

外資系企業で問われる資質とは?

安河内:国際企業のトップのみなさんは、バイスプレジデントまではロボットみたいな人も多かったりしますけど、The CEOって人になると、人柄が魅力的な人が多い。パーソナリティで勝負せよ、というのはさすがグローバル企業の社長さんならではのメッセージだなぁ!

留目:いえいえ。ただ、そのあたりは、外資系の会社のほうがさらに大切なんじゃないかなという気がします。 日本の会社は組織がしっかりしているので、上司に対してそんなに突飛なことを言ったりはしない。海外だとケアリングだとか、360度評価とかをしていって、チームを作り上げていくことがより重要になります。

次ページ海外で重要視されるのはリーダーシップやカリスマ性
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT