こころの免疫学 藤田紘一郎著 

こころの免疫学 藤田紘一郎著 

日本の自殺者数は世界で際立っているが、うつなどの心の病がこの10年で2倍に増えていて職場も家庭も予断を許さない。過剰な投薬をやめ心の免疫力を高めることで事態は解決できるとの立場から、不安がうつ病を引き起こしていくメカニズムと実例を踏まえて腸の重要性に言及し、心の病への処方を紹介している。考える臓器としての腸が健全でなければ心も健康でありえないとする医学的説明は十分に説得的である。

腸の健康は食べ物とストレスに左右されるとし日本の伝統食を勧める一方、ファストフードなどによる脳の機能や免疫力の低下に警鐘を鳴らす。精神病院を廃止したイタリアや精神保健福祉活動を進める富士市の例など、社会としてこの問題にどう対応すべきかの言及も重要だ。精神神経免疫学の立場から免疫のメカニズムが詳述されるが、笑いやプラス思考の重要性など心と腸と脳の意外なつながりも興味深い。“幸せは腸から”を納得させられる。(純)

新潮選書 1050円

  

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