ソニー復活への道険し。12年3月期は4期連続最終赤字、テレビ事業の赤字倍増でリストラ実施へ

拡大
縮小


 これまで、ソニーの業績を下支えしてきた金融事業も、足元は運用収益が減少している。かろうじて今期営業黒字になるのは、来年1月に1100億円を投じて完全子会社化するソニー・エリクソンの評価差益500億円を1~3月期に計上するためだ。

今のソニーには、稼げる商品が不足している。前11年3月期に急改善したゲーム事業も、8月に「プレイステーション3」を値下げしたことで収益を圧迫している。12月には携帯ゲーム機の新製品「PS Vita」の発売を控えているが、欧米市場では年明け発売とあって、本格寄与は来期以降となりそうだ。

来13年3月期は震災や洪水の影響が薄れることで、稼ぎ頭のデジタルカメラが平常化する。スマートフォン向けに需要急増中のイメージセンサなどが牽引して業績は改善に向かうが、急回復を望むのは難しそうだ。

ソニー復活への道のりは、なお険しい。

(前田 佳子 =東洋経済オンライン)


《東洋経済・最新業績予想》
(百万円)    売 上  営業利益 経常利益  当期利益
◎本2011.03  7,181,273 199,821 205,013 -259,585
◎本2012.03予 6,500,000 20,000 10,000 -90,000
◎本2013.03予 6,800,000 120,000 100,000 40,000
◎中2011.09  3,069,910 25,865 23,214 -42,479
◎中2012.09予 3,300,000 50,000 40,000 15,000
-----------------------------------------------------------
         1株益¥ 1株配¥
◎本2011.03  -258.7 25 
◎本2012.03予 -89.7 25 
◎本2013.03予 39.9 25 
◎中2011.09  -42.3 12.5 
◎中2012.09予 14.9 12.5 
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT