【産業天気図・医薬品】薬価改定で「曇り」も一部は順調で、まだら模様。来期は改定なければ回復

医療用医薬品メーカーにとって4月の薬価改定は痛撃だったが、魅力的な新旧医薬品を持つ武田薬品工業<4502.東証>(糖尿病、高血圧)、田辺製薬<4508.東証>(リウマチ)、エーザイ<4523.東証>(アルツハイマー病)、持田製薬<4534.東証>(高脂血症)、ツムラ<4540.東証>(漢方)辺りは数量効果で粗利減を吸収している。業界全体は「曇り」でも、会社によっては順調で、まだら模様といった格好だ。
 今年は市場の大きい生活習慣病(高コレステロール血症、高血圧、糖尿病)分野での大型新薬はない。が、泌尿器系分野は比較的活発で、アステラス製薬<4503.東証>の過活動膀胱薬ベシケアやキッセイ薬品工業<4547.東証>と第一三共(第一製薬)<4568.東証>が共同販売する前立腺排尿障害薬ユリーフなどは来期の大型化が期待されている。
 医療費抑制の観点から、2年に1度の薬価改定を毎年改定にする議論も進んではいるものの、来07年からの適用はないとすれば、来期は比較的事業環境は良く、天気も「薄曇り」に回復しよう。
 業界再編はアステラス、第一三共、あすか製薬<4514.東証>、みらかホールディングス<4544.東証>形成などで一服した感がある。ただ、新薬候補のドロップアウトや薬価頻回改定、ジェネリック医薬品シェア拡大などのイベントが発生すれば、すぐにM&A等が起きる可能性をはらんでいる。
 一方、業界地図が動いたのは大衆薬の分野。アステラスがゼファーマを第一三共に売却し、大正製薬<4535.東証>、武田の大衆薬部門に続く業界3位勢力が生まれた。こちらもエスエス製薬<4537.東証>の睡眠改善剤「ドリエル」に続くような画期的な新製品が最近とんとなく、特定保健用食品やサプリメントに市場を食われている。「某在阪メーカーが大衆薬部門を売却してジェネリック拡大を図る」といった噂も出るほどで、こちらの再編劇からも目が離せない。
【高橋由里記者】


(株)東洋経済新報社 会社四季報速報プラス編集部

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