大手証券が軒並み赤字転落で大リストラへ、縮小均衡しか打つ手ない証券界の現実

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縮小


 証券業界にとって今下期の経営環境は引き続き厳しいものとなりそうだ。

国内の株式市場は取引高の低水準が続いており、すぐに明るくなるような状況ではない。海外も、債務危機が続く欧州を中心に投資家がキャッシュポジションを高めるなど動きが鈍っており、顧客勘定のトレーディングが低迷。自己勘定のトレーディングや投資のリスクも圧縮せざるを得ず、収益性が低下している。前期から好調だった投資信託の販売も円高基調の中で反落している。

野村の柴田拓美COOは、「今後2年は“曇り空”の市場環境が続くというのがわれわれの前提。それに合わせた身の丈で活動していく」と話している。トップラインを犠牲にしても、費用を絞り、リスクを絞り、悪環境に耐え続ける。縮小均衡以外に打開策が見当たらないのが今の証券界の現実だ。

(中村 稔 =東洋経済オンライン)

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