年収1000万円超なのに貯金がない人の悪習慣 世帯収入が高くても「幸せ」とは限らない

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高収入なのに赤字になってしまうのは、「1000万円」というイメージに大きな問題があります。新入社員の頃は、誰しも年収は少ない。それでも学生の頃に比べると、やりくりすれば欲しい物が買えるようになります。そして、月日が経って年収1000万円の大台を超えると、生活が変わります。

多くのリッチさんたちが、食料品、日用雑貨、洋服などの日々の買い物で、欲しいものがあったとき「迷わず買う」「とりあえず買う」と言います。なぜなら、「買える」のです。

特に都心部では、リッチさんの支出は、どんどん膨らみます。外食はファミレスではなく、話題のお店へ。海外旅行にも、毎年家族で。子どもは遅くとも、中学校から私立へ。環境のいいところに、戸建てのマイホームを購入します。両隣が外車なのに、軽自動車はガレージに置けませんから、それなりの車を買います。

年収1000万円の落とし穴

1000万円以上の給与所得がある人は、全体のわずか3.9%です(男女計)。その特別感から、年収1000万円にふさわしい暮らしをしてしまいがちです。ふさわしい暮らしとは、各々がつくり上げるものですが、共通するのは「普通の人よりリッチで快適な暮らし」ということになります。

でも実は、年収1000万円というのは額面なので、手取りは700万円台。年収400万円の人は、手取りで年収を答える人が多いのに対し、1000万円と答える人は、額面であることが多いです。これも1000万円という心理的インパクトのなせる技でしょう。つまり、実際に手取り年収で400万円の人と、額面年収で1000万円の人の差は2倍以上ではなく、300万円ちょっとなのです。

年収1000万円の家計簿を想像してみます。ボーナスを除いたひと月の手取りはおよそ50万円。住居費、車の維持費、教育費などの固定費が、35万円と仮定すると、残りの15万円で、水道光熱費、通信費、食費や日用雑貨、交通費、被服費、レジャー費、交際費、パパの小遣いも含めて15万円でやりくりすることになります。

食費だけで、およそ7万円ですから、都市部で「それなりの生活」をすると毎月赤字で、ボーナスから不足分を補い、貯金がやっとできるかどうか、というわけなのです。

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