ロッテ創業者、お家騒動で歴史に名を残す?

一族の争いが泥沼化の様相

 8月7日、韓国有数の巨大財閥ロッテ・グループの経営権をめぐり、一族の争いが泥沼化の様相を呈している。写真は韓国事業を任されている次男の重光昭夫(韓国名:辛東彬)氏。ソウルで3日撮影(2015年 ロイター/Kim Hong-Ji)

[ソウル 7日 ロイター] - 韓国有数の巨大財閥ロッテ・グループの経営権をめぐり、一族の争いが泥沼化の様相を呈している。無一文から現在の巨大企業グループを築きあげた創業者の重光武雄(韓国名・辛格浩)氏(92)は、その成功物語と共に、明確な後継計画を打ち出せずにお家騒動を引き起こしたことで名を残すことになりそうだ。

経営権をめぐる争いは昨年末ごろに始まったようだ。東京在住で日本事業を任されている長男の重光宏之(韓国名:辛東主)氏が突然解任された。その数カ月後、日本よりもずっと規模が大きい韓国事業を任されている次男の重光昭夫(韓国名:辛東彬)氏が、東京に本社を置くロッテの持ち株会社ロッテ・ホールディングスの共同最高経営責任者(CEO)のポストに就いた。この時メディアやアナリストは、武雄氏が経営権を昭夫氏に譲る考えだと受け止めた。

しかし、7月27日に武雄氏と宏之氏は、ロッテ・ホールディングスの東京本社に押しかけ、昭夫氏と5人の取締役を解任した。

数日後、昭夫氏のソウルにあるロッテ・グループは声明を発表し、創業者が自分の意思でこうした行動を取ったか疑問だと指摘。「宏之氏と家族の一員が、老齢で動くことや判断することが困難な会長を連れ出し、解任発表を行うよう仕向けた」と主張した。それ以降、兄弟間の争いは続いている。

ロッテ・グループの始まりは、武雄氏が67年前に設立したガムなどを製造・販売する企業。現在では小売りから建設まで幅広い分野で事業を展開する。武雄氏はいまだに経営に関与し、現場にも指示を出すという。これまでに、長男と次男どちらを後継者にするか明確にしたことはない。

アナリストは今回のお家騒動について、巨大コングロマリットの経営権が一族のほんの一握りの人に集中することにより生じるリスクが浮き彫りになった、と指摘する。

CEOスコアの企業分析部門代表、Park Ju-gun氏は「今回の騒ぎの元は、創業者の武雄氏が経営権をなかなか手渡そうとしなかったことだ。会長は最後の最後まで経営権を握る考えでいる」と述べた。

韓国ではこれまでも財閥企業でお家騒動の起きた歴史がある。韓国経済で大きな比重を占める財閥の存在に国民の反感が高まっている。

(Joyce Lee記者、 翻訳:伊藤恭子 編集:佐々木美和)

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