【産業天気図・化学】実質フル稼働で第8次値上げが焦点。液晶・プラズマ向け設備増強が活発

今06年に入ってからのエチレン生産の動きは1~3月が前年同期比4%減、4~6月が3%減で、1~6月累計では3%減。しかし7月は11%増と回復した。この上期の減産の主因は主要各社の定期修理が集中したためで、実質的なフル稼働状況は変わっていない。その中で原油価格の高騰に連動してナフサ価格も上昇し、目下、ポリオレフィンの第8次値上げが最大の焦点となっている。すでにナフサのキロリットル当たり5万円に対応する第7次値上げは6月出荷分から浸透したとみられ、ある大手メーカーは今回の8次値上げを「7~9月入着ナフサ価格は5.5万円超に上昇しており、これに対応するもの」と説明する。
 メーカーサイドは10~12月ナフサ価格を一時5.8万円を想定したが、目先のスポット価格は5.2万円程度に軟化、今後この値上げがどのような形で決着がつくか、微妙だ。だが、メーカーの今上期のナフサ想定価格は5万~5.2万程度で、それ以上にナフサが上昇しているのが実際である。こうした中、三菱化学(三菱ケミカルホールディングス<4188.東証>傘下)が鹿島事業所のNo.1エチレンプラントを8月19日から自主的に停め、補修して9月10日に再稼働。このため一時的にエチレンの需給が逼迫した(同社の影響額は20億円強だが業績予想を修正するほどではない)。
 各社の第1四半期の状況も、ほぼ想定内で推移中。投資として目立つのは、液晶・プラズマ向けの増強だ。住友化学<4005.東証>は液晶向け偏光フィルムの増強を進めるとともに、欧州拠点としてポーランドに新会社を設立、07年夏の稼働を予定する。また、宇部興産<4208.東証>は液晶・プラズマなど薄型テレビ向けポリイミドフィルムの第10~11期増設を発表した。従来の宇部工場に加え大阪・堺工場に新たな設備を建設し、08年秋の稼働を目指す。
【宇田川日出雄記者】


(株)東洋経済新報社 会社四季報速報プラス編集部

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