だからスターウッドは日本でアクセルを踏む アジア太平洋地区のホテル開発トップに聞く

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独自の会員システムを活用して集客を図る(撮影:梅谷秀司)

この成功例を高級ホテルのセグメントにも生かしたい。「トリビュート・ポートフォリオ」の顧客も富裕層が中心で、ホテルオーナーにとってはそうした層を取り込めるメリットもある。

社内の調査では、私たちの会員の約9割がハネムーンやホリデーなど特別な時には独立系ホテルに泊まりたいと思っているが、サービス面の不安やポイントがつかないといった理由で泊まらずにいる。

新ブランドの参加ホテルは当社のセールスシステムやロイヤルティプログラム(会員向けサービス)を活用することができ、こうした顧客ニーズを取り込むことができる。

独自基準で品質をコントロール

――ソフトブランドは数を増やすには適していますが、ブランドコントロールが難しくないですか。

もちろん、独立系のホテルならどこでもいいわけではない。われわれのウェスティンやシェラトンなどと同等の水準のホテルを厳選する。当社独自の品質検査や顧客からのフィードバックを基準にしながら、クオリティコントロールをする。新ブランドはリブランドだけでなく、新規のホテルに導入するケースもある。

東京では当社のホテルはウェスティンとシェラトンのみ。訪日外国人が増えれば市場は広がっていくので、多様なブランドを出すことができる。

今後ホテルを自前に開発することはないと思うが、ケースによってはオーナーとの共同出資はありえる。ホテル数が増えれば運営も効率化できる。今後は積極的にホテルを開業していきたい。

並木 厚憲 東洋経済 記者

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なみき あつのり / Atsunori Namiki

これまでに小売り・サービス、自動車、銀行などの業界を担当。テーマとして地方問題やインフラ老朽化問題に関心がある。『週刊東洋経済』編集部を経て、2016年10月よりニュース編集部編集長。

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