タイの大洪水で日系車メーカー8社が生産休止、それでも影響は限定的--自工会・志賀会長が示唆

日本自動車工業会の志賀俊之会長(日産自動車COO<最高執行責任者>、=写真=)は20日の定例会見で、タイを襲っている記録的な洪水における日本車メーカーの被害について、「東日本大震災の時とは状況が異なる」と述べ、生産への影響が限定的なものにとどまる可能性を示唆した。

タイの大洪水を受けて、現地へ進出する日系メーカー8社の全工場が20日時点で生産休止に追い込まれている。工場が直接被災した完成車メーカーは現状でホンダ1社だけだが、現地で複数の部品メーカーが被災したことでサプライチェーン(部品の供給網)が寸断。その点では3月の東日本大震災で起きたのと同じ構図だ。

 

 

昨年、タイにおける日系メーカーの生産台数は約160万台、世界生産約2280万台の約7%を占めた。160万台のうち輸出が約半分で、タイは輸出拠点としても活用されている。タイにおける日系メーカーのシェアは9割を超えており、「日系メーカーだけが影響を受けている」(志賀会長)。

しかし、志賀会長は大震災との違いとして以下の点を指摘した。第一に被災した部品メーカーも多くが日系で、日本を含め代替生産基地を持ち合わせていること。第二にタイのみで生産する素材や部品が少ないこと。そして第三にタイでは日本よりも一般的に部品在庫が多いこと、などだ。

タイは周辺国へ部品を供給するケースも多いが、志賀会長は「リードタイムがあり、周辺国の生産がすぐ止まることはない」との見解を示した。

  「タイの生産がいつ復旧するかはわからない」としながら、各社が状況に応じて代替調達に切り替えるなどの処置によって「影響をゼロに近づける努力をしている」。大震災時の生産復旧の取り組みが生かされており、「リスクマネジメントは日系メーカーの強みになる」とも語った。

(並木 厚憲=東洋経済オンライン)

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