中国で豚肉の価格が再び上昇 政府はトウモロコシ価格下げを提案

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 8月5日、中国農業省はこのほど、家畜飼料用トウモロコシの公定価格を引き下げることを提案した。江蘇省南通で2013年10月撮影(2015年 ロイター)

[北京 5日 ロイター] - 中国農業省はこのほど、家畜飼料用トウモロコシの公定価格を引き下げることを提案した。豚肉価格の上昇が背景。中国では、国民の食卓に欠かせない豚肉価格が3月から再び上昇している。

農業省は5日、ウェブサイトに公開した声明で、供給が細っていることや、重要な祝日が近づいていることから、価格は今後数カ月上昇し続けるとの見通しを示した。

国家備蓄トウモロコシの増大に伴って生じたコスト増の削減が狙いとみられる。アナリストによると、トウモロコシの公定価格を決める農業省と国家発展改革委員会はこれまで、トウモロコシ農家の利益や国家備蓄制度を保護するため、値下げには反対してきた。

しかし農業省は通達で「(国家)備蓄が高水準にあり、売却ペースが鈍い点を踏まえると、われわれは飼料業者向けトウモロコシの価格を下げる措置を緊急に検討する必要がある」と記した。

同省によると、最近豚肉価格が反発しているため養豚業者が手元の家畜保有数を再び増やすはずで、トウモロコシ価格を下げればこれらの業者による消費が拡大し、収穫期を前に国家備蓄がさらに増えるという問題が緩和されるだろうという。

国家備蓄トウモロコシの週間売却量は4月から減少している。飼料業者が安い輸入トウモロコシや代替飼料に目を向けたためだった。

中国では長年にわたる備蓄制度の下で、トウモロコシの国家備蓄が1億トン強にまで膨らんでいる。

中国では、2011年に豚肉価格が急騰しインフレ率を押し上げた。農業省は、2011年ほどの大幅上昇にはならないとの公算を示している。

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