少子高齢化で求人難に悩む企業は必読! 『時代を勝ち抜く人材採用』を読む

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少子高齢化や生産労働人口の減少などは、以前から指摘されてきた。しかし一般人が実感したのは、昨年春あたりからのことだ。よく見かける「すき家」や「和民」などの外食産業で、人手不足が顕著になったことが新聞報道され、求人難を知った。介護施設でも職員が集まらず、施設閉鎖に追い込まれるというニュースもあった。

採用活動は半永久的に厳しくなる

今までのようなやり方で人を集めようとしても、集まらない。本書の序章は「日本における採用活動は、これから先、半永久的に厳しくなる」と述べている。卓見である。

採用はいつも昔ながらの方法で行われてきた。そして「週4で入れる、体力のある学生」というこれまでと同じ求人広告を出して、「最近はなかなか人が集まらない」と嘆いている。発想が「学生」という特定ターゲットに縛られているのだ。

昔の成功体験から抜け出せないだけではない。昔の失敗体験にもとらわれている。日本人学生がいないなら、外国人を採用しようと考えて当たり前だ。事実飲食業をはじめ、外国人労働者の姿は増えている。

しかし、「10年前に一度、外国人アルバイトを採用したが、うまくいかなかった」と昔の体験に囚われて、外国人採用を避ける企業も多い。10年前と言えば、スマホもSNSもなかった。今と異なる時代のことだ。

本書を読んで知ったが、在留外国人212万人のうち働いているのは3割。残りの134万人は働いていない。この在留外国人の多くは若手である。しかし、日本企業の多くは「語学の壁」と「価値観の違い」を理由に外国人採用を敬遠している。

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