ニューヨークの株価を後追いする日本の株価--リチャード・カッツ

ある日の日経平均株価の動きを前もって知りたければ、最良の手掛かりの一つは、13~14時間前に終了したニューヨーク株式市場のS&P500の終値を見ることだ。この10年間、ドルに換算した日経平均株価の値動きは、ニューヨークのS&P500の値動きを忠実に反映してきた。過去10年間で見た場合、両市場の相関度は87%と非常に高い。2008年以降に限れば、両市場の日々の値動きの相関度は、93%にまで達する。

また、S&P500とドル換算した日経平均株価では、おのおのの過去10年間の平均株価に対する現在の株価が、同じ水準で推移している。01年から11年にかけての平均株価を100とすると、現在の株価はS&P500で「104・4」、ドル換算した日経平均株価で「103・5」となる。

直近の10年以前には、これほど高い相関関係は見られなかった。だが1998年の「ビッグバン」以来、日本の株式市場で海外投資家の影響が徐々に増大し、両市場の関係がしだいに緊密化してきた。直近の数カ月間では、東京市場における取引全体の3分の2以上に、海外投資家が関与している。

しかし日経平均株価をもともとの円建てで見ると、少し異なった状況が見えてくる。01年から09年にかけての大半の期間については、日経平均株価とS&P500との間にかなりの相関関係があった。それは円の対ドル為替レートに大幅な変動がなかったからだ。

ところが、円の対ドル為替レートが急上昇した10年初め以降は、現地通貨建ての両市場の動きが乖離した。円建てでは、現在の日経平均株価は、01~11年の平均株価を25%下回っている。その一方、この日本株の下落は円の上昇によって相殺されてきたため、海外投資家の立場からすると、日本市場は事実上ニューヨーク市場と歩調を合わせてきたことになる。

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